肺炎は老人の悪友(気管食道科専門医)
もし、誤嚥による肺炎が肺でじわじわつづいていたら、。!
一見元気そうに見えても、誤嚥による肺の炎症は完全に治まっているわけではありません。
それに気づかず、徐々に病魔に侵されていくケースは、よくあることなのです。
肺炎は治療が遅れると回復が難しくなります。知らず知らずのうちに炎症を広がらせてしまうと、肺の呼吸機能が低下して、それとともに、嚥下機能も低下するという負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。このように誤嚥性肺炎は、気づかないうちに進行してしまいかねない非常に厄介な病気なのです。
「肺炎は老人の悪友」
といういや~な慣用句もあるほど、肺炎は高齢者にとって身近で切実なもんだいです。
高齢者は体力が低下しているので、些細なことがきっかけで、簡単に嚥下障害を発症することが多いので
肺炎かもと感じる状態になってからでは遅すぎます。なかには、肺炎が発覚してほんの1週間食べなかっただけで、以前から寝たきりだったかと勘違いするほど衰弱してしまう高齢者も少なくありません。それに一度機能を低下させると、その機能を戻すためにには何倍もの労力と日数を要してしまうことになります。
その結果、嚥下の力が衰え、うまく飲み込めなくなるケースが大変多いのです。
こうした場合口から食べられずに栄養不足になる→栄養が足りず体力を回復できない→のどの力も弱まり誤嚥を起こす→肺炎を繰り返し始める→体力が落ち、日に日に弱っていく といった悪循環なハマってしまうけーすあが目立ちます。
ですから高齢者は「歩けない」「食べられない」「栄養不足になる」という負のスパイラルに陥らないように、十分注意を払っていくことがかんようなのです。西山耕一郎著(肺炎がいやならのどを鍛えなさい)より
さて、皆さん吸啜と言う言葉をご存知でしょうか。これは赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶でミルクを飲むときの口からのどまでの一連の筋肉の連動のことをいいます。これは、生まれつきもっている吸啜本能があるから、人間や一部の動物が繁栄してこれたといえます。
犬や猫も生まれたては、目が開いていないのですが、お母さんのおっぱいを探しにいきます。人間や動物が行きていくための本能です。
この吸啜本能を使わない手はありません。最強の嚥下訓練だからです。連動して鍛える、究極の訓練です。(タン練くん)で鍛えると、しょっちゅう飲料を中に入れて飲むだけで、1週間もすれば舌圧と言う指標はとても、信じられないくらい上昇します。
私が、設立した特別養護老人ホームの方々に、倫理委員会を通して、1年間行った訓練でも、1日1回、たった一分から五分で、平均10キロパスカルくらいの上昇が、みられました。むせたり、食べるのか困難だったひとも、平気で普通食を召し上がっておられます。あまり歩けなかったひとが、歩いたり運動することでスイスイ歩けるようになったというのは、よくきくことです。
ノドもいっしょです。これに気づいておられない方がほとんどです。食べることなんか普通にできると思っておられて、手遅れになるかたが多いので死亡率がゆっくり上がって、とうとう第3位になりました。
吸啜を使うのがもっとも早く回復させると私は信じています。おしゃべりや、歌を歌う落語家や歌手の方々が、誤嚥性肺炎でお亡くなりになるニュースが続いています。発音や舌を動かすということでは、これらの職業の方は、人一倍訓練しているはずです。こういう方々が誤嚥性肺炎でなくなるのはおかしくないですか? 秘訣は、舌を上アゴに押し付ける力と共に、ゴクンと飲み込むまでの力を、高負荷をかけて訓練することです。赤ちゃんは母乳やミルクを飲み、嚥下力をきたえながら…グングン体が成長します。目をみはるスピードです。おいしく食べるというのは死ぬまで続きます。これがなくなったら、栄養を取れなくなって死に向っていきます。いちばん衰えさせてはいけないと機能だとおもいませんか?