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摂食嚥下障害の原因疾患

金子芳洋、他:摂食・嚥下リハビリテーシヨン、医歯薬出版より改編

1 子どもの摂食嚥下障害について

脳性麻痺、ダウン症などの生まれついてのご病気の方や、口やのどなど食べるために使う部位の形の異常、交通事故による脳挫傷や、低酸素脳症になってしまったお子さんにもみられるごとがあります。食べる仕組みは生まれ持っているものではなく、経験し、獲得していくものです。ご病気だけが摂食嚥下障害の原因になるだけでなく、食べ方を身につけていく過程や環境(食事の大きさや固さ、食べる姿勢、食べさせ方)が不適切な場合や乳児期の指しゃぶりなど、口へものを入れる感触の経験不足なども原因の一つになると考えられています。

2 成人の摂食嚥下障害

乳幼児期に食べる仕組みを獲得しても、成人期において脳梗塞などの脳血管疾患、神経・筋疾患と呼ばれる病気などが摂食嚥下障害の原因なることがあります。口に入った食べ物の感触や量を脳へ伝え、そこからどのような動きで食べたらいいのか指令が下って食べる、飲み込む仕組みが営まれますが、このような病気は指令のやり取りがうまく行かなくなるために、舌が動かない、嚙めない、飲み込めないなどの症状がみられるごとがあります。また、口やのどの癌の治療の際に手術をすると、元の形と変わったり、感覚が変わるため、食べる動きが変わることで摂食嚥下障害が起こることがあります。また、口やのどの癌を放射線で治療する場合も治療した部位が硬くなったり、感覚が変わるために摂食嚥下障害が起こることがあります。

3 高齢者の摂食嚥下障害

加齢に伴い、食べること、飲み込むことに必要な筋力が衰えることによって、食べ物を口の中で飲み込みやすい状態にできない、舌で口からのどへ食べ物を送り込めないなどの不具合が生じやすくなります。また、のど仏の位置が下へ下がること、飲み込みの時にのど仏を持ち上げる筋肉が弱くなることによって、飲み込む時に、気道のを閉じるのに必要な分だけののど仏が持ち上げきれず、食べ物が気管に入りやすくなる場合があります。

※追記

タン練くん(口腔嚥下機能訓練器具)は気道を閉じるためのふた(喉頭蓋)を開閉する筋肉(甲状舌骨筋)を ふだん、このボトルに水をいれて飲むだけで鍛えます。舌から筋肉の連動に着目した、特許商品です。お年寄りの命を救う商品として、マスメディアに取り上げられています。