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最近は誤嚥性肺炎患者が増えて基幹急性期病院では、入院させない傾向にあります。あまりにも多すぎてベッドを塞いでしまって、緊急患者を受け入れることが出来ないからです。

最近まで死因の上位を占めていた癌や脳卒中と入れ替わり、肺炎や老衰が浮上していました。
吉松由貴先生は著書でこのように述べられています。
加齢とともに食事が摂レなくなってきた高齢者に、「食べられないのなら、食べさせてあげよう」という介護をするのは、実は我々日本人の国民性も関わっているようです。
長年、難病の患者さんを在宅で診ている医師に「誤嚥性肺炎は、食べさせてあげる文化があるから起こるのだ」と教わりました。なるほど、海外ではお年寄りが食べなくなると、「自然なことだから仕方がない」と、加齢や疾病に伴う変化として受け入れられることが多いようです。介護施設や病院でも、食事介助されている場面はあまりみません。そうなると死因は肺炎ではなく、老衰になるかもしれません。
医療や技術が発達したからこそ対処の方法も幅が広がり、とらえかたも変わってきた、現代病といえるかもしれません。
実際、誤嚥性肺炎に関するエビデンスのおおくは日本から発信されています。
意外かもしれませんが、研究や製品開発が飛躍的に進んでいるのも、嚥下の分野の特徴です。特にわが国は、機器開発や豊富な嚥下食で世界をリードしています。とろみ粉(増粘剤)が当たり前のようにつかわれております。
嚥下の世界では、日本は嚥下先進国として注目されているのです。しかし残念なことに、同じ日本にいながらも、一番困っている一般的な臨床現場では、こうした進化の恩恵にあずかれていません。せっかく得られている知見や生み出されたよい治療を、日常的に活用しましよう。
嚥下は嚥下することで鍛えられる。と訓練の項で書かれています。
嚥下訓練の大原則は「嚥下は嚥下することでこそ、鍛えられる」です。嚥下せずに嚥下機能を維持することは難しく、向上させることはさらに困難です。肺炎になると食事量の減少や口腔内の乾燥、覚醒度の低下などに伴い、平常時の嚥下回数が減ってしまうため、いわば「日々の訓練をサボっている状態です。
」笠原直樹は日々生活の中にタン練くんで一日10分ほどの訓練を入れてはどうかと提案しています。