ブログ(活動・動向情報)

私の設立した特養「岩出憩い園」で行っている嚥下機能訓練

大人用哺乳瓶「タン練くん」を使って、毎日、少量(30cc)のリンゴジュースを飲んで頂いています。時間にして1~5分位です。6カ月の成果をお知らせします。ここからは少し専門的になります、

89歳女性、無歯顎、入れ歯無しの方でソフト食を召し上がっている方の一ヶ月毎の舌圧値の変化をお知らせします。

単位はキロパスカルです。0.4→3.6→19.2→24.1→36.1 と、半年の間で大きく上昇しました。

もう一人の事例は

84歳女性、無歯顎、義歯無し、で、嚥下調整食分類2-1、いわゆるミキサー食を召し上がっておられる方の、訓練後の舌圧値の変化は

22.8→31.6→39→39.5と上昇しました。

口腔リハビリテーション学会では、一般的な方では、30キロパスカルが平常値で、高年齢者では20キロパスカル以上といわれています。

これらの方を学会分類2021により、

Oj(嚥下訓練食品)→1j(嚥下調整食)→2-1(嚥下調整食)→2-2(嚥下調整食)→3(嚥下調整食)→4(嚥下調整食) と、最初は均質で、なめらかなもの→やわらかでつぶを含む不均質なもの→形はあるが歯や入れ歯がなくとも。口腔内で押しつぶし、食塊形成が容易なもの→形があり、かたすぎず、ばらけにくく、貼りつきにくいもの、箸で切れるやわらかさ。

このように食質を上げて、目標を普通食としております。

次々と、嚥下訓練成果が出てきておりますが、利用者さんの努力意識は高く、笑顔が輝いています。介護職員も他者への慈悲の実践により、思いやりの育成に繋がっています。

介護施設では、食べる楽しみが全てといえます。これからはもっと食べ物の味を上げていこうと実践中です。