舌や頬を噛むのは口の機能が低下した証拠!(菊谷武著 あなたの老いは舌から始まる より)
噛む、飲み込むなどの食べる力は、歯だけではなく、舌をはじめとする口の機能が非常に大切です。
となると、「舌や口の衰えの兆候は自分でわかるの?」という疑問がわいてきたのではないでしようか? 次のようなことが増えてきたら、舌や口のの「老い」が始まっている可能性があります。
・食べこぼす
食事中に食べ物が口からこぼれる状態
です。私たちは、食べ物を口の中に取り込む
ときや食べ物をを口の中に取り込むときや食べ物を噛むときには唇を閉じます。
この閉じる行為がうまくできなくなると、食べこぼしが生じます。
・誤嚥する、むせる
誤嚥は食べ物が謝って気管に入ってしまう状態です。むせは、誤嚥を起こしたり、食べ物が気管に入ってしまい、それを押し出そうとしている状態です。
どちらも舌やのどの機能が弱くなっていたり、飲み込みのタイミングがうまくいかなかったりして、誤作動を起こすことが原因です。
・舌や頬を噛む
咀嚼中の舌やあご、頬の動きなどの協調性が悪くなり、誤作動を起こすことが原因です。
・口角が下がってきた、ほうれい線が濃くなってきた
頬や口の周りにある口輪筋、頬筋などの筋力が弱っていることが考えられます。
・のどぼとけが下がってきた
加齢に伴いのどぼとけの位置は下がります。通常 舌をはじめとする筋肉がのどぼとけを持ち上げていますが、舌の機能や筋力の低下によって、舌骨ごと舌が下がり、同時にのどぼとけの位置も下がってきます。進行すると嚥下障害などの大きな原因になります。
・ブクブクうがい(水を含んで、口中で水を移動させながらゆすぐ)をしたとき、出てくる食べかすが増えた
舌が食べ物をうまくまとめられず、口の中に食べかすが残りやすくなっているために起こります。歯周病などによって歯ぐきのすき間が増えていることも原因です。
・人と食事をしたとき、自分だけ食べるのが遅い
舌が食べ物をうまくまとめられないため、噛む、飲み込むがスムーズにいかずに、食事に時間がかかるようになります。
・話が聞き取りづらいと言われるようになった
舌や口周りの筋肉、またはのどの衰えによって、発音や構音がうまくいかなくなります。
噛む、飲み込むなどの動作は、舌の巧みな動きや各器官の絶妙なタイミングによって行われています。口や舌の機能が低下すると、さまざまな誤作動を起こすことが増えてくるのです。
誤嚥やむせは、比較的若い世代でも起こっているのではないでしようか。
私自身、急いで食事をしているときに誤嚥やむせを起こすことがあります。
急いで食べたときなどは誰にでも起こりやすいですが、頻発するようになったら注意が必要です。
また、食べこぼしががふえた、うがいをしたとき食べかすがたくさん出てくる、食事のスピードが遅い、話が聞き取りづらいなどの症状は、要注意といえます。
いずれにせよ、これらの症状は、舌をはじめ口腔機能が衰えはじめているサインといえるでしょう。