舌圧の上がりかた
私が嚥下訓練トレーニングボトルを開発して、とても驚いたのは、「タン練くん」を使えば、「すごく舌圧の上がるスピードが速いな!」と皆さんの声を聞いて解ったことです。
新聞、テレビに出していただいてから、たくさんの方々からお電話があり、使って頂きました。まず、来ていただける方は、舌圧計測しますが、むせるなどの症状のある方は20キロパスカル(誤嚥の疑い)以下がとても多いのです。
不安や苦しみを持って来られる方がほとんどですので、とても熱心に取り組んでくれます。苦しさの原因を十分にご説明したあと、誤嚥予防トレーニングボトルでの訓練を続けて頂いて 必ず結果を計りにきてくださいとお願いします。
早い方で1週間で、計測値が18→24(キロパスカル)ぐらいまで上がっているのです。本当にビックリです。舌は筋力が付きやすいのです。
とても嬉しそうにに感謝される事が多く やりがいを感じています。
健康維持のために、食べることは一番大切なことです。しかし、とても残念なのですが、舌圧という言葉も、重要性も知らない方がほとんどです。症状が出て、ご相談にきていただくまで舌圧が低くなっていることに全く気づきません。ご説明して初めて「そうなんだー!。知らなかった。いいこと聞いた、よかったー。」とおっしゃいます。
舌圧周知の必要性を痛感しています。
今まで 健康フェアなどで、500人位の方の舌圧を測定いたしました。集計してグラフを作りますと、特徴として、50歳を境に舌圧は下がり始めます。80歳位になりますと、症状が出る出ないに関わらず、かなり低くなります。身体全体にも言えることですが、筋肉が落ちてきているのです。
すでに誤嚥している20kpa以下の方が60数名もおられました。誤嚥で亡くなる人が90歳台で1位になることや、長い期間(5年~10年)をかけて重症化する誤嚥の特徴を考えれば当然といえる結果が出ました。
これらの方々に舌圧の重要性をお知らせできたのは、大変 大きな成果でした。自覚して対策してくれることを願います。
意外にも20歳台のかたも、舌圧が低い人が多いのです。柔らかい食べ物が増えている影響もあるのでしょう。これらの方が高齢化したら、さらに誤嚥が増えるのではないかと心配です。
舌は「ちから」だけでなく、複雑な運動や知覚を、時には意識して、あるいは無意識にフル活動して「人の喜び」を支えています。この「舌の能力」が無くなってくることは「生きる活力を失う」ことを意味します。
長い長い介護される期間「要介護時期」が社会問題になっています。超高齢化社会となった日本を世界中が注目しています。経済的に日本はどう乗り越えていくのだろうと、次に高齢化を迎える国々が注目しています。いつまでも、自分の口で栄養を取り続けて健康を維持し、元気いっぱい働き、人生を楽しく過ごしたいものです。