誤嚥性肺炎の予防には
赤ちゃんには大事な本能があります。生きていくために必要な、栄養補給をするための「口や舌の動き」を生まれつき持って生まれてきます。これは、原始反射とも 吸綴反射(きゅうてつはんしゃ)とも呼ばれていて、赤ちゃんの口のそばに指を持っていくと吸うような動きをします。
赤ちゃんは毎日 母乳やミルクを飲むたびに「この動き」をするので、だんだんと舌の力が強くなっていきます。
「この動き」とは、舌で乳首を押し上げてさらにしぼるように、のどのほうに滑らす動きを繰り返します。この動きが舌に力をつけることになります。さらに力をつける動きとして、母乳やミルクが出たら、ゴクンと飲みます。この瞬間舌は上アゴにピタッと付く動きをします。これに連動する動きとして、舌や奥舌が咽頭や食道へ母乳やミルクを送り込み のど仏を動かし、落下してくる母乳やミルクが気管にはいらないように ふた(喉頭蓋)を閉じます。そして通過したら、すぐに開いて呼吸を開始します。これを嚥下反射といいますが、実に1秒以内の緻密な筋肉の連動が行われています。
この舌が上アゴに付こうとするとき、乳首またはこの吸い口が介在しているために、弾力により押し返されるという力が舌にかかります。この力も舌に力をつける大きな要素になります。
「タン練くん」の吸い口は、この部分の弾力性や大きさ、また、出る量などを、試作を繰り返し、舌から喉頭蓋までの筋肉を鍛えるためのベストを探しだし特許を取得しました。全くこの世にないものだったので、一般医療機器への申請の際も「類別」から新たに考える必要がありました。有意義で社会性の高いものを世に出していけることに感謝申しています。山間部への口腔ケアを通じて 誤嚥性肺炎で苦しむ人々に直面したこと、また、歯科医院での治療や、特別養護老人ホームを開設してからの9年も併せると、20年の歳月がかかっていますが、実際に強く鍛えることが出来る物が出来たことに満足しています。65歳で株式会社リハートテックを別につくり医療機器製造販売業をいただき、、経済産業省のヘルスケアコンテストで優秀賞やセカンドキャリア賞をいただいたことも自信につながりました。
大人になると、発声や食事などの弱い運動はありますが、赤ちゃんのときの、この動きが全くなくなってしまいます。
今までにはない発想で、大人や高齢者の方に、根気よく続けてほしい飲む運動です。一日30回ほど 舌を動かして「この吸い口」で飲むだけで 十分なトレーニングになります。楽しく健康な食生活にお役立て下されば幸いです。