“食べるために大切なのは舌のパワー”
咀嚼や嚥下機能の衰えは、口周りの機能全体が低下することで怒りますが、食べるプロセス全体を見てみると、やはり大切なのが舌です。
舌は噛む、飲み込むといった食べるプロセスに大きく関わっています。
まず、口の中に食べ物を取り込み、舌を使って食べ物を取り回しながら噛み、飲み込みやすいようにまとめます。そして食べ物をのどに送るときは、舌を口蓋(上あご)につけて口腔内の圧を高め、咽頭へ送ります。そして舌根(舌の奥のほう)を使って食べ物を一気に食道へ送り込みます。
このように、食べるためには、舌のパワーが非常に大切です。舌のパワーが弱ってしまうと、食べるという行為にダイレクトに支障をきたします。
日常生活において、私たちはあまりにも当たり前に舌を使っています。
それゆえ、舌の重要性を認識することは、いままでなかったのではないでしようか。
この機会にぜひ、舌の重要性、われわれが円滑な日常生活を送る上でいかに大切な器官かを、考えていただけたらと思います。
この文章の元になった著書を書かれたのは、私が尊敬する
日本歯科大学 口腔リハビリテーシヨン多摩クリニック院長の菊谷武先生です。
私は先生の講演を大阪に聴きにいき、持参した、先生の著者「あなたの老いは舌から始まる」にサインを頂き、短い時間ではありましたが、会話も交わしました。
誤嚥性肺炎が世の中に注目され始め、先生はテレビや講演会に頻繁に出られるようになりました。
誤嚥性肺炎が医療費の高騰に拍車をかけ、また、人間の尊厳にまで影響を及ぼしている現状を、正しく認識し、対応することの大切さを、いろいろな角度から示しておられます。いつも勉強させて頂いています。
私の傍らには常にこの本があり、私も「誤嚥性肺炎の予防」の活動をこれからも続けていきたいと思います。