“高齢知的障害者の死亡原因と疾患状況”-国立のぞみの園利用者の診療記録から-
2013年10月「厚生の指標」に載せられた論文ですが、まさに、ポイントだけをピックアップして、まとめたものを紹介いたします。
こちらの施設で、2001年から2010年度に亡くなった知的障害者は平均年齢59.7歳であった。呼吸器系疾患の割合が43.1%にものぼった。
新生物や、脳血管疾患の割合が比較的低い。施設では嚥下機能低下による肺炎のリスクに備えて、特別食などの工夫や、口腔機能の向上・維持を目的とする摂食・嚥下訓練を実施している。
4つの疾患に分類することができた。
タイプ1
30歳代で初発のが多かった「眼および消化器系疾患」
タイプ2
40歳代で初発が多かった「運動機能の障害、循環器疾患」
タイプ3
50歳代で初発が多い「脳・神経の疾患、呼吸器疾患、内分泌 栄養および代謝疾患」
タイプ4
年齢にかかわらず「血液 造血器の疾患 免疫機構の障害 新生物」
が多い傾向にあった。
知的障害者には、早期老化が考えられ、早い者では30歳代から、身体状況に変化がみられる。