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口腔嚥下機能訓練器具(タン練くん)を使用して6カ月が過ぎました

特別養護老人ホーム「岩出憩い園」70名収容入居者のうち、理解可能な43名の方に  中にリンゴジュースを30ccを嚥下機能訓練器具をつかって毎日飲む事で 嚥下機能訓練をしていただきました。

ある、お一人の方をご紹介しましょう。

90才女性のかたで、脳梗塞の後遺症で右半分の麻痺があり、車いす生活でご自分の足での移動は出来ません。

嚥下調整食分類1jという、均質で、あまりサラサラしすぎていない なめらかないわゆるミキサー食を召し上がっておられました。

訓練により、舌圧→嚥下機能筋肉→喉頭蓋を開閉する筋力が上がり、それを定期的な舌圧測定で、数値化しました。

22.8→24→31.6キロパスカルと、普通食を食べることが可能な数値を超えて来ました。

ご家族にご承認頂いて、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の、嚥下調整食分類に規定された食事を上げていっています。

私自らが 利用者さんに食べて頂きチェックしております。

無歯顎で、義歯無しなので、舌で押しつぶせる嚥下調整食4まで、ぐらいまで上げて、普通食の硬いものを除いた食事を目指しています。

利用者さんの食事を楽しみたいという思いは大変なもので、毎日、リンゴジュースを訓練器具(タン練くん)に入れて飲み鍛え、食事の質を1週間ごとに上げるということを 嬉々として頑張っておられます。

施設では誤嚥性肺炎患者は、訓練を行っている患者からは、訓練を始めて6カ月出ておりません。

むしろ、もうひとつの効果として、頭蓋骨内の運動を行うことにより、脳の血流量が増加していると思われ、それらのテストも同時に行っております。

東京都健康長寿医療センター研究所 自律神経機能研究室長の堀田先生にアドバイスを頂いて、認知機能を 咀嚼中枢と吸啜中枢の働き、臭気テストの分別機能を数値化するなどの認知症テスト、またCDRテストも計測数値化しました。、先生との共同研究として行っております。

また、骨密度計でのデータも取っております。誤嚥性肺炎、認知症、骨折等高齢者につきもののこれらの病気は、健康長寿を脅かす3大病変です。

これらの結果が、出ている事で、大きな社会貢献が出来るものと、やりがいを感じています。

沢山の方に知って頂き、食べるための筋肉を鍛え、介護を必要としない元気で自立した老後を楽しんで頂きたいと、切に願います。

施設で命をあずかる仕事をしておりますと、とてもとても重い、この取り組みが、広くご理解いただきたいと切に願います。