歩くことがいいとされる神経のしくみ
堀田晴美理学博士
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 自律神経機能研究研究部長 自律神経を調節する自律神経の活動やホルモンの分泌が、老化や身体の刺激によってどのような影響をうけるか、一貫して研究しておられ、上記のテーマについて述べられていること転記致します。
神経は、一定の方向性のある電気信号で、体中の細胞に「暑い」「寒い」などの情報を伝えています。
その際に「アセチルコリン」と呼ばれる物質を使用します。
アセチルコリンは心臓や内臓を動かす筋肉だけでなく、記憶や認知機能を司り“脳の司令塔”とも言われる「海馬(かいば)」の動きにも大きく関わっていす。
アセチルコリンの働きを活性化させるのは、体を刺激することが大切です。
刺激とは、つまり「運動する」ということ。
私たちの研究では、特別に激しい運動をしなくてもふだんの歩き方で30秒もすれば、アセチルコリンが出てきて血流が増えるとわかっています。
血流は皮膚をこするだけでもよくなるので、昔からある乾布摩擦も認知機能に影響があったわけです。運動が出来ない、たとえば寝たきりの人でも、ご自身やご家族などそばにいる人が優しくさするといいでしよう。