私(歯科医師)が、30年開業の後、60歳から何故、特別養護老人ホームを開業したのか。
私は いま73歳の、特養理事長です。
開設13年目になります。それまでは、29歳から60歳まで、和歌山市の東のほうで笠原歯科医院を開業して歯科治療の日々を過ごしながら、週1回、休診日に山間部の 無歯科医院地区にある3軒の特養に、口腔ケアのボランティアに出かけていました。
そこで目の当たりにしたのは、口腔ケアの状態が悪く、誤嚥性肺炎で亡くなる人が、週1回行くごとに、二 三人いるという事実でした。
私はショックを受け、たった週1回で、救うことなんかできない、自分で特養を開設して毎日、口腔ケアを徹底して、誤嚥性肺炎による死亡者を減らそうと決意しました。
歯科衛生士とともに、私の特養(80名収容)の高齢者に口腔ケアを行い始めました。
確かに誤嚥性肺炎の死亡者は減りましたが、やはりわずかながらに死亡者がいることに疑問をもちました。
なぜなのか。
落語家の桂歌丸さんや、歌手の美空ひばりさんも、誤嚥性肺炎でお亡くなりになっているのも、とても不思議に思いました。40年も喉を、発声という形で鍛え続けた方が何故、喉の筋肉が弱くなって発声しやすい誤嚥性肺炎になるのか、何故なのか、ずっとこの点について考えました。
ある日、気管食道科 専門医 西山耕一郎先生の著書 「肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい」という本と出会いました。
喉は筋肉なので鍛えなければいけないということに気づかせて頂きました。
ここからは私が考えたことです。
赤ちゃんの哺乳瓶を大人用の大きさに作り、口の中に入る部分のシリコンゴムを分厚くすることで、舌に、負荷をかけないと飲めないようにしました。厚さ、長さ、形、太さなど試行錯誤しながらニップルを作り 特許を頂き、一般医療機器をPMDAから頂き、和歌山県からは医療機器製造販売業を致しました。会社を立ち上げ、「株、リハートテック」と名付けました。
昨年12月には、東京慈恵会医科大学で開かれた日本口腔リハビリテーション学会で発表させて頂き、今月7月6日、日本基礎老化学会で、会長、堀田先生に舌圧と、認知症テスト(CDRテスト)の結果をポスター発表させて頂きました。
7つの老化学会が一同に行われたので、ドクターやナース、技能訓練の方、歯科医師、ケアマネなど、展示ブースにも訪れて頂き、300人以上の方方に質問を頂き、お話させて頂きました。
とても、沢山の方に、初めての商品に興味を示して頂き充実した3日間となりました。
商品購入は「リハートテック」か「タン練くん」「フェイスラインボトル」で検索して頂いて、ホームページよりお願い致します。
今日もスタッフと3人で、タン練くんにリンゴジュースを30ml入れてのんで、いただきました。月に一度の舌圧測定と、半年に一度の認知症テストをこれからもずっと続けてデータを取り続けます。
お見舞いに来た入居者の娘さんも 私がお母さんにジュースを飲ましてあげる様子を見て、とても感謝して頂きました。