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咀嚼にともなう脳血流量増加の神経メカニズムを解明ー東京都健康長寿医療センター研究部長 老化脳神経科学、堀田晴美部長

麻酔したラットの大脳皮質咀嚼野に電極を埋め込み電気刺激を加えると、大脳皮質の前頭葉や頭頂葉で、50%近くも血流量が増加しました。

このとき、マイネルト神経細胞の活動が著しく増加すること、マイネルト神経細胞が活動できなくする処置を施すと咀嚼野の刺激による脳血流量増加反応が小さくなってしまうこともわかりました。

では、この反応は、咀嚼筋の収縮が脳への刺激になっておこるのでしょうか? これを調べるため、筋が収縮しなくなる薬を投与してから咀嚼野の刺激をしてみました。すると、筋は動かないにもかかわらず、脳血流は薬の投与前と同じように増加したのです。