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口腔細菌の全身への影響

歯周病は、口の中のある種の細菌による慢性感染症と考えられれ、病巣ではさまざまな炎症関連物質が作られて、血液を介して全身に運ばれます。歯周病と全身の関わりについて、最近この炎症関連物質の役割がクローズアップされています。

中でも糖尿病に関しては、分子レベルの研究成果によって、歯周病が腎症(腎機能障害)、網膜症(視力低下)神経性視力障害、小血管障害の慢性合併症に次ぐ第6番目の合併症にあげられるほどになりました。また、心臓や血管の病気では、梗塞を起こした部位から歯周病の原因と考えられる細菌のDNAが見つかるなど、相互関係が明らかになりつつあります。

関係が深いといわれる基礎疾患には、糖尿病や動脈硬化を伴う狭心症、心筋梗塞・脳梗塞の他、関節リウマチ、内蔵型肥満などがあります。

また、喫煙は口腔ガンの危険因子になるだけでなく、歯周組織の修復機能を障害したり、細菌の病原性を強化したりすることから歯周病の悪化等につながると報告されています。