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のど仏(喉頭)の位置が下がる原因

のど仏は正式には「甲状軟骨の喉頭隆起」と言いますが、飲み込む時に動く筋肉は約14種類です。

ごっくんと飲み込んでのど仏が上下するのは、喉頭挙上筋群が引っ張り上げたり、下ろしたりしているからです。

誤嚥性肺炎の原因である喉頭蓋(ふた)の衰えは、加齢などによりおこり、筋力が食べ物などが、のど通過する際、ふたがしまりきっていない気管の入口から、肺に食物などが、細菌とともに入っていくことにより起こります。

のどのふたを閉めるとき、喉頭は前上方に動き(喉頭挙上筋による)甲状舌骨筋が、収縮して、喉頭蓋を閉めています。食べ物などが通過したら、呼吸を開始するという、まさに0.5秒間の間の神業が行われています。しかも、一日に飲み込む回数は600回~700回と言われています。

喉頭蓋は、食べものを入れてエネルギーを取り込んだり、酸素を取り込み、二酸化炭素の排出、声や言葉を出しコミュニケーションをとる。などの交通整理をする大切な器官です。寿命の長さはここが健康に動くということにかかっていると言って良いでしょう。

赤ちゃんのあの母乳を飲む動きは、見事としか言いようがない、生きていくための能力です。そうして舌や口、頬、嚥下関連筋を鍛えて、嚥下関連筋の連動により、喉頭挙上筋群や甲状舌骨筋により喉頭蓋の開け閉めが鍛えられて、未熟な赤ちゃんの飲み込みから、大人の飲み込みへと、鍛えられて行きます。これらの筋群の中の、一番最初に力を入れるところは「舌」なのです。「タン練くん」の吸口は大人用の大きさて、舌に負荷をかけるための弾力をつけています。(ここが特許であり、一般医療機器)

舌は力を計る医療機器があります。30キロパスカルという舌圧が、誤嚥しているかどうかの指標になります。きちんと数字で誤嚥の度合いを計れるのは、患者さんにとても説得力があります。

少々「むせ」ていても、ほとんどの高齢者は「わたしはまだ大丈夫」とおっしゃいます。このことも誤嚥性肺炎を悪化させている大きな原因だと思います。

症状では納得できなくても、数字で示すと理解してくれるケースがとても多いです。

いま、診ている一人に、最近、私の特養に入所した人で、ひどい「たん」で息をする毎にひどくむせ、ゴロゴロのどにたまっている方がいます。

あまりにも、嚥下運動が遅すぎるというか、今まで何も対策していないかたがいます。

完全に誤嚥しているので、タン練くんに飲み物をわ入れずに、毎日三分くわえて、赤ちゃんがミルクを飲む時の舌の動きをしてもらっています。一週間になりますが、喀痰吸引と並行して嚥下訓練(特に舌圧訓練)をしています。タン練くんはある程度の舌の力が無いと押しつぶすような動きができません。この患者さんは、押しつぶせないので、少しずつ鍛えて、つぶせるようになってから、飲み物を入れて飲んでいただこうと思っています。。

トレーニングは続かないので、このように飲むという行為で鍛えることが大切。生活の中に取り入れることが命を長らえる(何年も)大切なことだと思っています。